藤原愛さんのライブは何度も観ているが、共演は久しぶりだ。いつもその演奏に圧倒されてばかりだったが、この日は彼女の音楽のなかに自分の居場所を見つけることができて、心地良くその世界に浸ることができた。おそらく共演者として彼女のパフォーマンスに触れたから、ということもあるだろう。自分の出番を終えた解放感も手伝って、頑張ったご褒美に子守唄をひとつもらったような、美しい時間だった。
チバさんとの共演も久しぶりだ。人を楽しませたい驚かせたいと思いながらも、どこかシャイな文学青年のような面影を残すチバさんに、私は共感を抱いているのだと思う。エレキギター、足鈴、足元に並んだエフェクターたち。そのどれもがお飾りでなく、こうでなければ歌えない、こうする以外に演奏する方法がない、というような表現上の必然性があり、受ける印象は華やかだがストイック、一貫して清々しい。全国各地で歌い続けてきた男だけが発する色気のようなものに、しばし感じ入った。
ハマノさんの次が出番だった私は、その時間冷や汗を流しながら楽屋で準備をしていたため、ライブについてここで知ったふうなことを書くのは控えたい。ただハマノさんの帽子が吹っ飛ぶ瞬間だけは、たまたま目にした楽屋のモニターでしっかりと確認できたので、いつもどおり最高のステージだったことは間違いないだろう。また共演できることを願っています。
さて、9分に届くかという長尺の新曲「おやすみ」。タイトル通り全員寝てしまうのではないかと恐怖を感じつつの演奏だったが、思った以上の反応を少なくない方からもらい、胸を撫で下ろした。歌詞に若干納得のいかない部分があったので、現在も修正を重ねているが、この日歌ったバージョンよりも確実に良くなっていると思う。次回2月11日のライブで完成形をぜひ聴いてほしい。この日は私の誕生日の前日でもある。だからどうした。ご来場いただいた皆様ありがとうございました。またAPIA40でお待ちしています。
2019年1月16日(水) 学芸大学APIA40
『限りある限り』
1.あきらめてからが東京
2.アメリカ
3.おかえり
4.過ぎ去ったものだけが美しくなれる
5.おやすみ(新曲)
6.ロミオはジュリエット
LIVE SCHEDULE
2020年7月31日(土) 学芸大学APIA40
『BLLUE BLUE BLUE』
開場 16:15 / 開演 16:30
料金 ¥2,000(ドリンク代別途)
出演 青木研治 / 廣瀬康子 / 松浦健太 / 芹田香織
APIA40公式YouTubeチャンネルから生配信あり!
詳細 https://t.livepocket.jp/e/400731
ご予約・お問い合わせは majordebutrecords@gmail.com まで
2019年1月25日金曜日
2019年1月1日火曜日
[LIVE] 遠藤ミチロウ復活祈願★This is not the end.
アピアのドアを開けるとすでにTHEがリハーサルをしている。いつものTHE ENDよりステージが狭く感じるのは、Devil Dalipop用にグランドピアノが中央に寄せてあるからだろう。その狭さが良かった。肩を寄せ合うように演奏する三人。THEの親密な雰囲気が伝わってくる。
全員のリハーサルが終わり、皆それぞれの過ごし方で開場を待つ。楽屋に入るとDevilさんが鏡の前でメイクをしている。「YouTubeで我自由丸の歌詞を確認しようとしたら、どのライブもミチロウさん少しずつ歌詞が違うんだよね」と笑うDevilさん。二人で笑っていると、ほかのメンバーも酒瓶を片手に楽屋に集まってくる。ナポレオン山岸さんが高校時代に自閉体と対バンしていた話や、平野さんが中学三年生で『STOP JAP』に出会い、親に見つからないようエロ本と一緒にLPを隠していた話など、楽しいエピソードの数珠繋ぎ。このままずっと話を聞いていたい、と思いながらも開演時間になり、うしろ髪をひかれつつステージへ。その後の松浦健太の元気いっぱい若さ溢れる演奏は、ご来場の皆さんに聴いていただいた通りだ。
二組目はダークでシュールなキャバレー、Devil Dalipop。スリル満点のアンサンブルで会場の空気をガラリと変えると、そのまま普段通りのクールな演奏でズンズン突き進んでいく。このままミチロウさんに触れずに終わるのもDevil Dalipopらしくて良いな、と思っていると、マヒマヒさんと平野さんが退場しステージにはDevilさん一人。そこから堰を切ったように語られるミチロウさんとの出会い、ミチロウさんへの思い。その表情や喋り声、ひとつひとつのエピソードが、音楽のように客席に染み込んでいく。このMCから「我自由丸」への流れが、この夜のひとつのハイライトであったことは間違いないだろう。あまりにも美しく尊い時間。アピアにいた全員がDevilさんに恋をしてしまったのがはっきりとわかった。それにしても女性がカバーするミチロウさんの曲はどうしてこうも良いのだろう。ミチロウさんの持つしなやかさ、非男性主義的な面がより際立つからだろうか。
甘く切ない余韻に浸っていた会場に「原爆肺」の荒々しいギターリフが流れる。STALIN時代の名曲をSEにして登場したTHEに、会場は待ってましたとばかりの大拍手。一曲目「Break On Through」を聴きながら、なんて良いロックバンドなんだろうと改めて思う。ミチロウさんは言葉選びのセンスもズバ抜けているが、バンドメンバー選びのセンスもズバ抜けている。この日のために練習してきたレア曲を含むセットリストを、三人がボーカルを交代しながら演奏していくスペシャルライブ。THE ENDのレパートリーである「Alabama Song」を歌ったのは山岸さん。まったくお酒を飲まないミチロウさんが書き上げた日本語詞を、今まさに酔っ払っていらっしゃる山岸さんが歌う、という妙。素晴らしかった。
三人の掛け合いに客席からは度々笑い声も起こり、会場はさながら遠藤ミチロウのファンクラブイベントのよう。終始あたたかい空気に包まれてライブは進んでいった。だからこそ、終盤「インディアン・ムーン」の間奏で突如挟まれた西村さんの「ミチロウ、帰ってこい!」という激しいシャウトは、それまでの楽しい空気を切り裂くような、切実で熱い響きをもって私の耳の奥まで届いた。それは深刻な雰囲気を慎重に避けてきたパーティーに不意に訪れた真実の瞬間のようでもあり、会場にいた全員の心の叫びのようでもあり、間違いなくこの夜のもうひとつのハイライトだったように思う。ディス・イズ・ノット・ジ・エンド。そう、これはこれからも続くTHE ENDの長い物語の、例外的な「一回休み」にすぎない。ミチロウさんとTHE ENDは、必ずこのステージに戻ってくるはずだ。そのときには、この夜会場にいた全員でまた集まれたら素敵だなと思う。
打ち上げ。山岸さんがミチロウさんとカラオケに行った話(ミチロウさんの「昭和枯れすすき」!)や、平野さんがTHE STALIN15に参加した経緯など、聞きたかった話をたくさん聞けて、健太満足。終電の時間も近づき、ではそろそろ……となった頃、突然アピアの電話が鳴る。なんとミチロウさん本人からの電話である。もちろん遠藤ミチロウの個人事務所でもあるアピア、ミチロウさんから店に電話がかかってくることは珍しいことではない。が、ほかでもないこの夜のこのタイミングである。感慨深く感じるなというほうが無理だろう。ミチロウさんと話し込む嬉しそうな山岸さんを見ながら、ああ欠けていたパズルのピースがついに揃った、今夜のイベントはこうして終わるのか、と胸がいっぱいになった。ミチロウさん、大好きです。ライブ復帰の日を心から待っています。
2018年12月23日(日) 学芸大学APIA40
『遠藤ミチロウ復活祈願★This is not the end.』
1.過ぎ去ったものだけが美しくなれる
2.アメリカ
3.私訳ミスター・ボージャングル
4.おかえり
5.マザー
6.音泉ファック(遠藤ミチロウ)
7.ロミオはジュリエット
全員のリハーサルが終わり、皆それぞれの過ごし方で開場を待つ。楽屋に入るとDevilさんが鏡の前でメイクをしている。「YouTubeで我自由丸の歌詞を確認しようとしたら、どのライブもミチロウさん少しずつ歌詞が違うんだよね」と笑うDevilさん。二人で笑っていると、ほかのメンバーも酒瓶を片手に楽屋に集まってくる。ナポレオン山岸さんが高校時代に自閉体と対バンしていた話や、平野さんが中学三年生で『STOP JAP』に出会い、親に見つからないようエロ本と一緒にLPを隠していた話など、楽しいエピソードの数珠繋ぎ。このままずっと話を聞いていたい、と思いながらも開演時間になり、うしろ髪をひかれつつステージへ。その後の松浦健太の元気いっぱい若さ溢れる演奏は、ご来場の皆さんに聴いていただいた通りだ。
二組目はダークでシュールなキャバレー、Devil Dalipop。スリル満点のアンサンブルで会場の空気をガラリと変えると、そのまま普段通りのクールな演奏でズンズン突き進んでいく。このままミチロウさんに触れずに終わるのもDevil Dalipopらしくて良いな、と思っていると、マヒマヒさんと平野さんが退場しステージにはDevilさん一人。そこから堰を切ったように語られるミチロウさんとの出会い、ミチロウさんへの思い。その表情や喋り声、ひとつひとつのエピソードが、音楽のように客席に染み込んでいく。このMCから「我自由丸」への流れが、この夜のひとつのハイライトであったことは間違いないだろう。あまりにも美しく尊い時間。アピアにいた全員がDevilさんに恋をしてしまったのがはっきりとわかった。それにしても女性がカバーするミチロウさんの曲はどうしてこうも良いのだろう。ミチロウさんの持つしなやかさ、非男性主義的な面がより際立つからだろうか。
甘く切ない余韻に浸っていた会場に「原爆肺」の荒々しいギターリフが流れる。STALIN時代の名曲をSEにして登場したTHEに、会場は待ってましたとばかりの大拍手。一曲目「Break On Through」を聴きながら、なんて良いロックバンドなんだろうと改めて思う。ミチロウさんは言葉選びのセンスもズバ抜けているが、バンドメンバー選びのセンスもズバ抜けている。この日のために練習してきたレア曲を含むセットリストを、三人がボーカルを交代しながら演奏していくスペシャルライブ。THE ENDのレパートリーである「Alabama Song」を歌ったのは山岸さん。まったくお酒を飲まないミチロウさんが書き上げた日本語詞を、今まさに酔っ払っていらっしゃる山岸さんが歌う、という妙。素晴らしかった。
三人の掛け合いに客席からは度々笑い声も起こり、会場はさながら遠藤ミチロウのファンクラブイベントのよう。終始あたたかい空気に包まれてライブは進んでいった。だからこそ、終盤「インディアン・ムーン」の間奏で突如挟まれた西村さんの「ミチロウ、帰ってこい!」という激しいシャウトは、それまでの楽しい空気を切り裂くような、切実で熱い響きをもって私の耳の奥まで届いた。それは深刻な雰囲気を慎重に避けてきたパーティーに不意に訪れた真実の瞬間のようでもあり、会場にいた全員の心の叫びのようでもあり、間違いなくこの夜のもうひとつのハイライトだったように思う。ディス・イズ・ノット・ジ・エンド。そう、これはこれからも続くTHE ENDの長い物語の、例外的な「一回休み」にすぎない。ミチロウさんとTHE ENDは、必ずこのステージに戻ってくるはずだ。そのときには、この夜会場にいた全員でまた集まれたら素敵だなと思う。
打ち上げ。山岸さんがミチロウさんとカラオケに行った話(ミチロウさんの「昭和枯れすすき」!)や、平野さんがTHE STALIN15に参加した経緯など、聞きたかった話をたくさん聞けて、健太満足。終電の時間も近づき、ではそろそろ……となった頃、突然アピアの電話が鳴る。なんとミチロウさん本人からの電話である。もちろん遠藤ミチロウの個人事務所でもあるアピア、ミチロウさんから店に電話がかかってくることは珍しいことではない。が、ほかでもないこの夜のこのタイミングである。感慨深く感じるなというほうが無理だろう。ミチロウさんと話し込む嬉しそうな山岸さんを見ながら、ああ欠けていたパズルのピースがついに揃った、今夜のイベントはこうして終わるのか、と胸がいっぱいになった。ミチロウさん、大好きです。ライブ復帰の日を心から待っています。
2018年12月23日(日) 学芸大学APIA40
『遠藤ミチロウ復活祈願★This is not the end.』
1.過ぎ去ったものだけが美しくなれる
2.アメリカ
3.私訳ミスター・ボージャングル
4.おかえり
5.マザー
6.音泉ファック(遠藤ミチロウ)
7.ロミオはジュリエット